【北アルプス】真夏の日帰り燕岳登山。夏空と深緑と絶景【後編】

前回の続き。

 

合戦小屋を越え、晴天の中、燕山荘を目指す。

 

頂上からはどんな景色が見られるのか。

僕をどんな気持ちにさせてくれるのか。

 

山はいつだって前進する力を与えてくれる。

 

前半の記事はこちらから

【北アルプス】真夏の日帰り燕岳登山。夏空と深緑と絶景【前半】

 

燕山荘へ

合戦小屋から、燕山荘が見えてからがなかなかに長かった記憶がある。

傾斜がキツくなってきたからか、

心なしか休憩している人たちが増えてきた。

 

それもそのはずで、晴天と

急登による体力の消耗。

ここらへ来ると、少しずつ下山客も増えてくる。

時間が時間だから、テント泊や山小屋泊をした人たちが降りてくるタイミングなのだろう。

燕山荘付近は道幅がかなり狭く、切り立った崖も増えてくるから注意して譲り合って進まなければならない。

 

ベンチで休んでいる家族と話をした。

 

その家族は小屋に泊まるんだそう。

その次の日に、大天井岳まで行くそうで、

そうかー山小屋やテント泊をすると、単純に行ける山が増えるし、山にいる時間が増えるから

より自然に溶け込めて日帰りでは味わえない体験になるなとその時思った。

 

次の雲ノ平周遊の時に楽しみをとっておこう。

 

だんだんと燕山荘が近づいてくるのがわかる。

人々が遠くで休んでいるのがわかる。

 

頂上が近づくと、やはり気持ちが昂ってくるのが性で、

自然とペースが上がってしまう。

 

ついに、燕山荘到着!

最後の階段を駆け上がると、そこには絶景が待っていた。

見渡す限りの山陵線と青空。

 

燕岳の方は少しガスり始めているが、登ってきた方角と反対の、

水晶岳や鷲羽岳の方角は晴れ続けていた。

 

ここまで登ってきて、本当によかった。

拓けた場所に来ると、僕はいつもそう思う。

 

日常では味わえない、何にも変えがたい気持ちになる。

山に登る理由は?と聞かれるとすぐには答えられないけれど、

この気持ちが答えだと思う。

 

山陵線に出ると、一気に気温が下がる。

風が直に当たり、休憩に始めた僕たちの体を冷やした。

 

ささっとレインウェアを着て、お昼ご飯の準備。

日帰りで行って帰ってだから、サクッと食べられるカップラーメンを持ってきた。

ちゃんと休憩を取るのはここくらいだから、主食は一つだけしか持ってこなかった。

 

山での珈琲と煙草はセットだろう。

間違いない。

ご飯を食べたあと、クッカーでお湯を沸かして一休み。

 

燕岳山頂へ

お昼休みを十分に取ったあと、

体が固まりすぎないうちに頂上を目指した。

 

雷鳥??

これはなんていう鳥なんだろう。

 

燕山荘で荷物をデポって、カメラのみで頂上へ。

頂上付近は岩場が多く、ポールがあっても登りづらいかなと判断した。

 

槍ヶ岳の方向へ進む人。

 

僕たちは燕岳方面へ。

こう見るとずいぶん遠くにあるように感じるが、1kmしかない。

 

ただこの中でも割とアップダウンがあり、

頂上の目前だ!という昂りがなければ、そう楽なコースではないように感じる。

だけれど僕たちの気持ちは最高潮に達していて、あとは登り切るだけだった。

 

まだまだ登る。

途中藪をかき分けて、階段をまたのぼり、岩場へ突入する。

 

振り返ると、燕山荘とここまできた道のりが見えた。

 

燕岳登頂!

ついに僕たちは燕岳を登頂した。

振り返ると、槍ヶ岳方面の山陵線がはっきりと見えた。

登山客の憩いの場である燕山荘がとても小さく見えた。

登山客に必要不可欠な山小屋でさえも、自然の前では無力になってしまうんだな、とその時思った。

 

災害が起こったらどうしようとか、小屋が脆いとかそういう話ではなくって、

それほどに自然の大きさを感じた瞬間だった。

 

登頂し終えた僕たちは、ゆっくりと燕山荘へ戻る。

来た道をそのまま引き返すというのはあまり好きではないけれど、

こうやって道を見ているとそれも悪くないと思える。

 

疲れは全くなく、ただただ景色を楽しんで

今自分がここにいられることに幸せを感じていた。

東京に戻ったら、また日常に引き戻されてしまうのだから。

 

これがもし、非日常だから味わえる気持ちなのだとしたら

僕は少し寂しい気がする。

「非日常」という環境下でしかこの感動の気持ちは起こらないんだろうか。

そしたら喧騒とした日常が必要なわけで…..

そんな考えても無駄なことを考えてしう。

それも自然の中居いるからこその思考なのかもしれないけれど。

 

さようなら燕岳

下山をする。

 

合戦小屋の方向は完全にガスっていた。

ガスっていたけれど、頂上は晴れてますよ!

と、苦しい顔をして登ってくる登山者に声をかけながら降った。

だって、頂上ですら晴れていないと思いながら登るなんてあまりにも苦しいじゃないかと思う。

 

人里が見えるくらいには降りてきた時、夏にふさわしい風景を見た。

入道雲と青空と深緑。

これがあるから自然に向かうことはやめられない。

 

この風景を見た時、僕はまだ少年の心を忘れてはいないんだなと気付いた。

 

今回の主な装備とルート

  • ザック-山と道mini2
  • ベースレイヤー-モンベル メリノ100%
  • ソックス-point6
  • カメラ-fujifilm xt2
  • シューズ-salomon xa pro 3d

 

合戦沢の頭・燕岳 / 大知さんの燕岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ