本当に、本当に今日が最後の北海道での夜。
ここまで、正直満足のいく旅ではなかったけれど、
初めての北海道ツーリングで痛い目には沢山あって逆によかったのかな、とも思う。
次はこれが必要だな、逆にこれはいらない、
次は絶対ここに行きたい、と思える場所も見つかった。
それに、僕は完全に疲れ切っていた。
連日の雨で、満足しきっていた。
もう来年じゃないと、ちゃんと休まないと、ここでは漕げないな、と思うくらい。
この出だしだと尚更おかしいんだけど、今日は最高の旅だった。
札幌から洞爺湖へ出発
朝7時くらいだったかな。
札幌の友達の家を出発した。
本当はもう少しの間お世話になりたかったけど、お金もないし、
何よりもう自然に帰れなくなりそうだった。
札幌という贅沢な環境、屋根と壁に囲まれた空間、
それと柔らかいソファ(生活水準低下の現れ)。
友達の家にはこれが揃っていて、心がたるんでいた。
だから、本当はもっと遅くまで寝ていたかったのを堪えて出発した。
何度も言うようだけど、この日は本当に天気が良かった。
漕いでいて、気持ちがよかった。
天気がいいとこんなに楽しいんだと、心から感じる。
逆に、今までどれだけ苦痛を味わったかに気づいた(笑)
本当、絵に描いたような夏休みの風景だ。
僕はこれが見たくて北海道に来た。
ぼくのなつやすみのような世界を感じるために来たんだよな。
札幌をまだ抜けていないのに、もうこんな気持ちになれて最高だ。
そういえば、この時期、札幌の北区で熊が出たと言うニュースで話題になっていた。
熊が出た、と言うのは違和感があるんじゃないかと思うけれどいつも。
自然が多い北海道では出るのは当たり前だと思うし、熊にも生活があるから、
熊が出た、と言うよりは熊が居た、と言う方が合っている気がする。
ひたすらに230号線を南下
札幌を少し出ると、もうそこはいつもの北海道だった。
ただ少し車は多いけれど、車道は広いし、緑が多い。
こんな景色、普通じゃない間違いなく(笑)
なんて雄大なんだろう。
230号線には、中山峠と言う峠があり、そこを越えるのが今日の山場。
ただ、毎日自転車を漕いでいるおかげで体力がついたし、割と楽々登れるはず。
案の定、そこまでキツくはなく、
むしろ、標高が上がるにつれて変わっていく景色に見惚れっぱなしだった。
中山峠撃破
斜度は割とある峠だった。
気温が上がってきて、汗をかいたから中山峠の休憩所で腰を下ろす。
遠くに羊蹄山が見えた。
ぼくのなつやすみ3でしか見たことのなかった山。
ぼくは地元が静岡だから、毎日富士山を見て育ったけれど、
羊蹄山はそれと同じくらい大きく見えて、鳥肌が立った。
ただただ、長閑で、ずっとここに居たらもう横浜へは帰れないんじゃないかと何度も思った。
この旅が毎日晴れだったら、今日のような気持ちに毎日なっていたのかも、
と思うと少しやるせない。
洞爺湖前の最後の休憩で、
道の駅 230ルスツ
と言うサービスエリアに停まった。
晴れた青空の下で食べるカツサンドイッチは格別だよ本当。
どこへ行っても羊蹄山が見える。
幸せな時間だった。
洞爺湖に到着
小公園キャンプ場でテント泊
本日のキャンプ場をこことする!
近くにあったセコマで買い出しをして、夕飯をこしらえた。
ただ、到着がお昼すぎだったから、まだまだ時間には余裕がある。
着ているウェアは基本的に洗濯ではなく天日干しだから、
テントに掛けて干してあげた。
麻を外ロープの紐にくくりつけルトいう、
我ながら、原始的な良いアイデア(笑)
それにしても、ここは最高のロケーションだった。
少し強すぎるくらいの風が湖から吹いていて、天気は良くて暖かい。
僕以外には2組ほどしかおらず、静かだった。
少しのんびりしても全然時間が余裕だったから温泉に行くことに。
キャンプ場からわずか5分くらい走って丘の上にある温泉。
シングルウォール防犯性ガバガバのテントのなかに全ての荷物を入れて温泉に来てしまったものだから、
まともに休むことなく終始ソワソワしながらキャンプ場に戻ってしまった(笑)
キャンプ場に戻ると、特に異変がなかったから安心した。
(キャンパーに悪い人はいないはず)
夕飯の悲劇
温泉から帰って、ちょうどお腹が減ってきたからご飯を用意することに。
バイクパッキング用に買った、
パッキングがしやすくて且つ軽い物に着目したギアたち。
クッカーの中にガス缶を入れたり、
蓋はフライパン代わりに使ったりとかなり愛用しているギア。
だけど、思いもしなかった事件が起こったんだよなあ。
それがこちらです!!
米が入らない!!!!!!!!!!!!
思わず笑ってしまった光景(笑)
最後の日にこれか、まじかよ、なんでいつもこんな運悪いんだよ、
と項垂れていたけれど、空腹でどうしても食べたかったから考えた。
僕は考えた。
とりあえずお湯を沸かして
こう。
ちょっとずつしか温められないけど、これしかできなかったwwwwwwwwwww
おかずはハンバーグ。
セコマで3個入りで200円くらいだった、めちゃくちゃ安ない???
その後何度も米を温めて美味しく食べたよ。
夕暮れの洞爺湖
これは本当に形容し難いんだけれど、
夕日に当たった洞爺湖は美しくて、切なくて、夏の終わりを痛いほど感じた。
少しずつ風が冷たくなっていって、
最後の日にふさわしい空気だった。
小学生の頃の、夏休み最後の日のような。
8月31日のような。
こう言う美しい景色を見ている時、僕はいつもじっとしていられない。
日常的にその景色を見ていられるならそうならないかもしれないけど、
数分後には失っているその景色をいつまでも留めておきたくて、
同じ構図で何枚も写真を撮ったり用もなく歩いたりする。
そうこうしているうちにあっという間に夜になる。
星も凄まじく綺麗だった。
遠くで花火が上がっていて、
ああ夏休みなんだなあと実感する。
明日のこと
散々感傷的になった僕は、明日は苫小牧まで輪行することに決めた(笑)
予報によると雨だし、なんかもう疲れる事したくなくなった。
数時間で着くっぽいし、2千円ちょっとで電車で移動できるみたいだからそうすることにした。
次の日に自転車を漕がないとなると僕は一気に気が抜けてしまって、
もはやエアマットを敷くことすらやめて寝た(笑)
もう未練は何もない。
人が多い横浜には帰りたくないけど、ここにいるのも大変だ(笑)
北海道本当にありがとう。
この記事も、あとで自分で見直してクスッとできたらいいな。
「雨辛くて詰んだ」とか言ってる過去の自分を見て笑いたい。