北海道自転車一周旅9日目:大自然のエサヌカ線と、ついに着いたぞ宗谷岬…!【浜頓別〜稚内】

9日目。

 

絶対に雨の中でキャンプはできない!と確信していた僕は、

枝幸から浜頓別の35kmをバス輪行し、無事オフトゥンが君臨する宿へと転がり込んだ。

 

だから今日のスタートは、この快適なオフトゥンの中からである。

外に非常に出たくない。

どうせ天気は悪いのだから。

 

だけれど今日は「宗谷岬」に行かなければならない松本少年であった。

ライダーたちの目的とも言える、最北端の地へ。

 

 

絶景のエサヌカ線へ

今日のメインは、もちろん宗谷岬なのだけれど、

僕の中では宗谷岬よりも楽しみにしている場所がある。

 

それが、「エサヌカ線」という直線道路。

めっちゃ真っ直ぐ。

エサヌカ線の地図

浜頓別から北へまっすぐ進むと、エサヌカ線に入れるのだけれど、google mapを見た感じ、

かなりわかりにくそうだから注視して走らなきゃいけない。

 

10:00am

浜頓別の街と道路標識

宿から出るのがだいぶ遅くなってしまった。

こっちに来てから一番の寝坊。

それくらい、心身ともに疲れていたんだよ、と自分を労りたいです。

 

チェックアウト時間がだいぶギリギリで、部屋の掃除が始まっていて、

残すは僕の部屋だけになったので、申し訳ない顔をして出た。

 

宿のすぐ近くには、僕の聖地セイコーマートがあった。

いつも通り、コロッケとパスタを頬張って出発する。

 

どこかの大学か、20〜30人程度のチャリダーがセコマの中でたむろしていて、

謎の状況だった。

格好を見る感じ、ガチ勢とゆるい勢が合わさっててよくわからない集団だった、、。

車も一緒に来ているらしく、荷物は車に預けて身軽だった。

赤信号で止まる、自転車の集団

いいなあ〜。

集団で走った方が空気抵抗が少なくなるし、賑やかで楽しそうだ。

 

でも大体の人がフラペだし、彼らは一体なんの集団だったんだろう。

 

エサヌカ線にて放牧されている牛たち

この日はかなりの追い風だった。

常時30kmを超える速度でこぐことが出来たけれど、これが向かい風だったら絶対嫌だ、と思った。

スタートした直後から、見渡す限りの草原と牛がいた。

これまでも、こんなに大自然の景色はそうそう見てこなかったから、この期に及んで新鮮に感じた。

 

エサヌカ線を爆走する

ご覧ください、この景色を。

エサヌカ直線道路 エサヌカ直線道路の左側 エサヌカ直線道路の右側

こっちに来てから、驚くような景色をたくさん見てきたけれど、

こんなに雄大なものは初めてだった。

本当に気分が上がった。

昨日までの悪天候での嫌な気持ちが全て晴れたような気がした。

 

パノラマでも撮った。

自転車を寝かした。

 

とはいえ、あまりのんびりしていると雨が降ってくるので、

写真撮影もほどほどに先を急いだ。

 

本当に「これが向かい風だったらやばかった!!!危ねえ、、」

となんども独り言を言ってしまうくらいの強い追い風だった。

 

あっという間にエサヌカ線は終わり、再び238号線に合流した。

 

次の目的地は、いよいよ宗谷岬

238号線に合流した後も、僕は快調に帆を進めた。

 

どんなアップダウンが来ても、30kmは切らさない

と謎のゲームができるほどに足は軽かった。

 

猿払のあたりで、大きい風車を見つけた。

もともとこの辺りは風が強いんだと気が付いた。

 

それにしてもこの風車、使徒にいそうなフォルムをしている。

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ!!!!」

 

さっきのデジャブじゃなく、本当にこういう景色がなんども現れる。

 

ここ猿払は星が綺麗なことでとても有名らしい。

進む日程が合えばここでキャンプでもしたかったところだけれど、その思いは打ちひしがれた。

 

猿払を抜けて、宗谷岬まで後20kmくらい、というところで、景色は一気に変わった。

明らかに先端らしき大陸の塊が見えるようになってきたのだ。

 

「そういえば、現金持ってないや!」

と気づいて郵便局に寄っている間にさっきの自転車の集団に抜かれた。

どこかでご飯でも食べていたのだろうか、ここで抜かれるにしても遅すぎる。

でも抜かれた時のペースは速かったからどこかに寄っていたんだな、と腑に落ちる。

 

僕も相当なスピードは出ていたけれど、流石に集団走をしている彼らの方が上手だった。

 

稚内市に突入!

もうここまで来ればすぐだろう!と思ってからが長かった。

 

さっきのデジャブのような景色を見続け、少しアップダウンが出てくる。

山肌がとても気になる容姿をしていたから思わず撮ってしまった。

 

ちゃんとアップダウンだ、、。

綺麗な弧を描いた浜辺が美しい。

 

アップダウンがあるということは、登った後の下りが気持ちいい。

こういう、かなり拓けた道をひたすらに走るのは僕の理想だった。

 

登った後、後ろを振り向くとやっぱりそこには最高の景色が広がっていた。

 

不思議な山肌をしている。

気になってしまって何回も撮ってしまった、、、。

 

まあ、対象の性質が全然違うから何とも言えないけれど、

僕は宗谷岬よりも、宗谷岬に行く道の方が好きだった。

 

最大の目的地を目前として、まだこんな隠し球があったなんて、

北海道は贅沢すぎるのだ。

遠くにたくさんの風車が見える。神々しい。

 

自然の奥行きの深さを感じた。

 

ついにたどり着いた宗谷岬

宗谷岬は最大の目的地ではあったけれど、正直絶景でもなんでもないから

それほど楽しみではなかった。

 

だけれどいざ着いてみると、他の場所にはない雰囲気だった。

なんだろう、ライダーたち引き寄せる何かを感じた。

やはり同じ属種の人たちは、最〇〇に惹かれる生き物なのだろうか。

 

とても神聖な場所のようにも感じた。

 

写真を一応撮ってもらった、全然いい顔してない、、、。

着いた後にツイートした僕も同じようなことを言っている。

僕にとってはそこそこに反響のあるツイートだった。

(つむりさんがリプくれたし)

 

そのあと、朝からコンビニ飯しか食べていないことに気づいて、

宗谷岬のすぐ目の前にある魚屋でこの旅2回目となるサケの親子丼を注文する。

だけれど、知床の親子丼と違って生臭くて全然美味しくない、、、。

申し訳ないけれど正直残しそうだったのを頑張って堪えたくらいだった。

 

 

親子丼を食べた後、まだ宿を取っていなかったから、

「漁師の店」

というライダーズハウスに電話をかけたところ空いているそうなので向かうことにした。

 

稚内・漁師の店まで全力ライド

思い出せば、この日の僕は宿のことなんて気にならないことくらい夢中になって走っていたことに気が付いた。

こういうのが本来あるべき心持ちなのだと感じる。

 

出発してほどなくして振り向くと、さっきまであった宗谷岬の先っぽがもうあんなに小さくなっていた。

自転車でもこんなに進むんだなあ、自分の体、よく頑張っているな、とつくづく感じる。

 

そこから追い風に乗って、一気に稚内市街地へと入る。

本当にこの日は追い風に助けられた(何回目だよ)。

 

調べによると、漁師の家には風呂がなく、温泉に行くにも反対側に数キロ漕がなければならないらしい。

漁師の店に着く3km手前に一個温泉があったが、横着してまずは宿に行こう!と自分を無理やり納得させた。

 

「稚内」という土地にはどうしても既視感があったのだけれど、

多分桃太郎電鉄のやりすぎだと気づいた。

 

そして宿までの間、サカナクションのアルクアラウンドを聞いて走ったあの時間は最高にエモーショナルだった。

 

ノリで来た野寒布岬

稚内市街地から野寒布岬、そして宿まではかなり近かったこともあり、少し寄り道をしてみた。

オホーツク海と僕の自転車。

この海の先に樺太があると考えると少し不思議な気持ちになった。

ここで僕の自慢のパッキングを披露していくう!!!

全てapiduraで統一したんだけれども、本当に使い勝手が良くて3年くらい愛用してる。

 

灯台もあった。

 

みんなに愛される宿、漁師の家に到着

僕が宿に着いたタイミングで、なぜか他にも3、4人くらいのライダーたちが同時にチェックインをした。

(すごい同タイミングで僕以外全員仲間だと思った)

 

日本を一周してるチャリダーと御茶ノ水大の子が2人いた。

バイクの人もいた。

その中の一人の子の自転車がめちゃくちゃクラシックなランドナーバイクで、羨ましかったのを覚えてる。

 

部屋ではやっぱり旅の話とかで盛り上がったと思う。

 

とはいえその日は甲子園の決勝戦で奥川の勇姿を見届けたかったから画面に釘付けだった。

結果的に履正社が勝って、四番を打っていた井上君は我らが阪神タイガースに入団するのであった。

 

夜になって、宿の人がお酒とおつまみを持って話をしに来てくれた。

すごく面白くて、これが心地よくて来る旅人もいるんだなあと感じた。

とてもいい場所だった、またいつか来ると思う。

 

あ、そうだ。

部屋は広々とした1ルームだったのだけれど、特徴的だった。

みんなに愛されている証拠。

何を書いたかは思い出せないけれど、僕も何かしら書いた気がする。

 

お酒が回ってすごく眠くなった。

気分が良くって、すぐ眠った記憶がある。

 

次の日は大雨予報

僕は次の日、オロロンラインを通って南下する予定だったのだけれど、

予報的にこっちに来てから一番強い雨が降る予報だった。

 

流石にその中は走りたくない。

でもオロロンラインは絶対に走りたい、、!!

 

次の日の朝の天気でプランを練りなおそうと思って眠りについた。