北海道自転車一周旅6日目その1:知床峠ヒルクライムと国設知床野営場キャンプ【中標津〜知床】

6日目。

やっぱりオフトゥンで眠ると寝起きが違う。

 

「もっと寝たい…二度寝しよ」のリスクはあるけれども、

基本的に疲労はかなり抜ける。

 

あとは大量の虫に襲われる心配もないし!

 

今日は知床峠を抜けて、知床へ向かう。

北海道と言えば知床でしょ!みたいな所が僕の中にあったので、かなり楽しみにしている日。

ってか毎日「今日は楽しみな日!」といっている気がする。

 

5日目はここから読めます。

北海道自転車一周旅5日目: 念願の釧路湿原と開陽台を走った。北海道のスケールはでかすぎる。【釧路〜中標津】

 

 

中標津、宿処 鶴亀からスタート

窓のサッシを開けると、結露したせいかガラスにはにいっぱいの水滴がついていた。

そのまま開けると、地面が濡れていた。

天気予報では、確かに小雨が降ると言っていた。

前日に、宿の人が自転車を中に入れてくれたおかげで濡れずに済んだ。

助かった。

 

オフトゥンだと、本当に寝起きが辛い。

自分との葛藤がかなり続く。

 

6日目になってくると、当然体が疲れているから、その日走る距離とか獲得標高とかを見て億劫になる時期だ。

今日は知床峠で、距離はだいぶ短いけれど標高があるからまた疲れるなあ〜と重い体を持ち上げて支度をする。

 

ありがとうございました、鶴亀さん。

とても親切な宿で、また来たいな、次の夏にでも。

 

知床峠ヒルクライムに向けて出発

中標津から知床峠までのルート

中標津から知床峠への行き方はものすごく簡単。

中標津から知床までのルート

272号線を使って海辺まで出て、そこから335号線を使って北上するだけ。

アップダウンもほぼなく、楽なコースだと思う。

そして、もしかしたら国後島とかも見えるのかな、、など思いながらウキウキしていた。

 

まずはセイコーマートでいつものを

こっちに来てからは、毎朝セイコーマートで朝食を摂っている。

セイコーマートのパスタとコロッケ

それも、内容は全く変わらないもので、パスタとコロッケの2つ。

絶対これ。

僕はかなりの偏食なので、いくら食べても割と飽きずに続けられる。

 

272号線を東へ

道路は濡れていたけれど、走りには影響なかった。

やっぱり天気が悪いと、朝は冷え込む。

確か15〜17度くらいだったかと思う。

そのくらいの気温だと、下は短パンだけど上はTシャツにジャケットを羽織る、という格好だった。

 

また、この頃から走りながら音楽を聞くようになった。

いくら一人で大自然の中で走ることが好きと言っても、流石にしんどい時間帯がある。

この日は確か、フジファブリックのお気に入りプレイリストを聞いてたっけな。

エイプリルとか茜色の夕日とか赤黄色の金木犀とか、ちょっと感傷的になれるやつを。

 

国道272号線の様子

空は相変わらず暗くて、ちょっと萎えた。

いいことばかりじゃなくて、その時々の心情をありのままに書きたい。

 

272号線は、本当に直線で、でもところどころにアップダウンがあって、少し辛かった。

でもやっぱり音楽の力は偉大で、好きな曲が来ると気分が上がる。

 

少し漕ぐと、暑くなるからほどなくして半袖半ズボンで漕ぐようになった。

そして、ついに現れた看板。

「羅臼まで42km」

知床に近づくにつれて、僕の足はだんだんと軽くなっていった。

追い風の影響もあったけど、ヒルクライムをすることが本当に楽しみだった。

羅臼まで42kmの道路標識

 

ついに海岸線へ。335号線を北上する

国道335号線から見た根室湾

海が見えた。

天気が悪くて、どんよりしていて、なぜか僕の心はざわざわした。

もともと海を見ると自然と恐怖心が芽生えてしまうタイプだったけれど、

「北海道」というブランドが付いた海は余計に恐かった。

永遠に底が見えない、沼のような、闇のようなものを感じた。

 

根室湾

恐ええ、、、。

これで天気が晴れていたらまた変わったんだろうなと思う。

右手に根室湾?を感じながら僕はひたすら北上した。

 

北海道、羅臼町に入る目印の道路標識

その後羅臼町に入った。

追い風でかなり調子が良かったが、所詮はコンビニ飯と行動食を口にしているだけなので、

いつエネルギー切れを起こすくらい空腹だった。

北海道に来て思うのが、行動食はいくら持っていても損はない。

幸い、セイコーマートが割と均等にあるけれど、常に直近のコンビニを把握しておいたほうがいいと思った。

 

調べてみると、少し先に知らない名前のコンビニがあるようなのでそこに入ることに決めた。

 

根室湾と、知床半島

まだまだ進む。

遠くに、知床半島の先の方が見える。

きっと、あそこら辺までいって、ようやく知床峠の登り始めくらいなんだろうな。

 

見えていても、全然近づかない現象が1日に何度も起こる。

幸せな悩み。

 

さっき言った、名前がよくわからないコンビニに入って、ポカリや一本満足バーを補給した。

あと、アルフォートも。

かなり雑なパッキングに見えるけれど、これはこれで旅してる感が出て、僕はすごく好きなスタンス。

apiduraは、アメリカ出身ブランドなだけあってこういう自由から生まれる遊び心をよく理解している。

 

北澤肯さんという、バイクパッキングとか自転車旅が好きな方が書いた本を読んで、

バイクパッキングギアはapiduraにしようと思ったし、バイクパッキングのイロハはここで学んだと言っても過言でない気がする。

 

根室湾の先に見える国後島

この写真だといまいちわからないかもしれないけれど、遠くに国後島が見えた。

北方領土を初めて生で見た瞬間だった。

小学校の頃から歴史の授業で聞いていただけで、とても遠い存在のように感じていたけれど、

実際目にすると、いつでも行けるような存在に思えた。

 

この頃、「ゴールデンカムイ」にかなり興味があった僕は、アイヌ族についても同様に興味があり、

生で北方領土を見ることができて心底興奮していた。

 

港が近いのか、かなり多くの鳥が、絶え間なく鳴いていた。

羅臼町には大きな港がある。

知床峠の麓が近い証拠だった。

 

知床峠ヒルクライム開始

知床峠の登り始めには、

「道の駅知床・らうす」があり、レストランや休憩スペースが備えられていた。

僕はさっきのコンビニで行動食は蓄えていたので、トイレにだけ行った。

 

それにしても、知床峠に行く人たちの数がすごい。

絶え間なく車やバイクが道の駅に出入りしていて、みな同じ方向へ向かっていった。

 

羅臼漁港

遠くには、鳥が鳴いている原因とも言える港があった。

 

いよいよ知床峠・ウトロへ

国道335号線から334号線に変わると、そこから知床峠アタックの開始となる。

 

一応写真を撮っておいた(笑)

この自転車はカーボンだけど、やっぱり旅でカーボンは恐い。

もしお金に余裕ができたら、次はクロモリバイクでも買おうかなと検討中、、、。

 

海を見たりケータイを見ている間に体が冷えてしまったので、出発した。

 

知床峠はかなり緩い傾斜だと聞いたいたけれど、「峠」というといつも少し身構えてしまう。

とはいえ初日の「日勝峠」ほどではないだろうから、体の準備は万全なはず。

 

1日目の記事はこちらから読めます。

北海道自転車一周旅:1日目 試される大地・着弾と日勝峠 【横浜〜新千歳〜日高】

 

登り始めてすぐは、かなり傾斜があった記憶がある。

(こんなキツいのによくみんな楽とか言えるな、、)

とか思いながらなんとかペダルを回した。

 

僕はどんな時でも割と力を抜いて走ることができない人間で、

序盤からハーハー言いながら漕いでいた。

 

知床峠の霧

天気が悪いとは聞いていたけれど、本当に悪かった。

陽が見えるわけもなく、雲と霧で峠は覆われていた。

雨が降っているわけではないのだけれど、霧のせいで登り始めてすぐにビショビショになっていた。

 

濡れるけれど、頑張って記録は残さなきゃと思い、ノールックで撮った一枚。

知床峠の林

周りは木々で覆われていて、ここからいつクマが襲ってくるかとヒヤヒヤした。

 

知床峠を自転車で走るのは、クマが恐い

北海道において、クマの危険性は峠だけではないけれど、

それでもこの知床の峠は一番クマとの遭遇率が高いんじゃないかと思う。

 

ましてや濃霧だし、霧の先にクマが立っている可能性もある。

僕は鈴を自転車に付けて、峠は走った。

千歳に住んでいる友達が言うには「鈴に慣れたクマが多いから意味ないよ」

と言われたけど、なんでもいいからクマには会いたくないと思い、気休めだけど付けて走った。

 

僕が警戒しているだけかもしれないけど、実際、林の中に何かいるな、と気配を感じることが何度もあった。

霧が濃すぎて姿は確認できなかったけれど、そう言う瞬間は僕は決まって「チリンチリンチリン!!!!」

と手動で全力で鈴を鳴らすのだった。

 

中盤になってくると、傾斜がだいぶ楽になった。

峠に体が順応していることもあると思うけれど、楽しく登れた。

景色は全く楽しくないけど。

 

知床峠展望台はもうすぐ

走りながら何度かスマホで残り距離数を見たりしていた。

道の駅知床・らうすから知床展望台までは約16km。

そろそろかなあと思ってからが長かった。

 

知床峠の霧と対向車線の車

頂上が近くなるにつれて、霧はますます濃くなっていった。

対向車とのこの距離でもうっすらとしか見えないから本当に恐い。

 

知床峠の木々

標高が高いところの木々はいつもこう言う形をしているように見える。

 

そして…知床峠ヒルクライム完遂!!!

終わってみれば、そこそこに手応えのある峠だったように思えた。

景色がなかった分、精神的な疲労が大きかった。

 

そして、気になる景色がこちら!

「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」

 

嘘だろ、、、、、、、、。

わざわざ中標津から走ってきたのにこりゃないよな。

 

僕は心底落胆していた。心底。

道中はあれだけ曇っていても

「頂上だけは晴れてるっしょ!」

と言う謎理論でここまで頑張ったのに、

全く変わらない、最悪な天気だった。

 

投げやりだったけど一応登った証として自転車の写真も一緒に置いときます。

 

本当は国後島やら羅臼岳やらが見えたはずなのに、、、、、。

僕の夢は画面上のツイッターで叶えるしか無くなってしまった。

 

(そうだ!知床の天気は変わりやすいんだ!!)

と聞いたか聞いてないか定かではない記憶があったから30分ほど待ったが、一向に変わらず。

本当に寒いから下山することに決めた。

 

悔しすぎるので、知床峠にはまた来る事を決めた。

 

国設知床野営場でのキャンプは次回!

少しボリュームが大きくなってしまったので、続きは次の記事します!

 

後半は、国設知床野営場でキャンプしてきたことを主に書きます。

いろんなブログやツイッターで書いてあったけど、国設知床野営場は北海道の中でも有数の人気キャンプ場らしい。

なんでも、普通に鹿がウロついてるんだとか。

 

もし気になったら、次も楽しみにしてください!

 

準備編〜5日目まではここで読めます。