6日目後半。
濃霧の知床峠をやっとこさの思いで完遂し、下に差しかかろうとしている僕。
これから向かうところと言えば、
「国設知床野営場」と言う、ウトロにあるキャンプ場。
色々な口コミで、北海道で一番好き!といっている人が多いくらい人気らしい。
こっちにきてまだまともなキャンプをしてない僕を救ってくださいお願いします。
前編はこちらから読めます。
北海道自転車一周旅6日目その1:知床峠ヒルクライムと国設知床野営場キャンプ【中標津〜知床】
知床峠からウトロへ
なんとか頂上まで着き、30分ほど晴れ間を待ったが完全に諦めた。
体が冷え切ってしまったので、ウインドブレーカーを着込んで全速力で下る。
漕いでない分、かなり体温が低下していくのを感じだ。
下るときいつも思うのは、登りはあんなにキツくて時間がかかるのに、
下りは速くて楽過ぎる、と言うこと。
当たり前のことなんだけれども、あの苦労をこんなに一瞬でなあ、、と思ってしまう。
(とは言え大のヒルクライム好き)
下り始めてすぐに、快晴に変わった。
思わず「は?!まじかよ!!」
って自分一人だったけど言ってしまった。
それくらい悔しかったし不思議な天気だった。
そう言えば「昨日の宿の人が、ウトロと羅臼は天気が反対だよ」
と教えてくれたんだった。
知床峠で、ちょうど暖気と寒気がぶつかって天気がめちゃくちゃ変わり易いんだとか。
下り切ると、穏やかな天気だった。
快晴のウトロに到着!
道の駅ウトロで人生初イクラを食す
僕は静岡の港町で育ったけれど、魚介類は昔から大の苦手だった。
そのせいで、最近までは刺身すら食べれなかったのだ。
だけど、道の駅のレストランで見たイクラの親子丼があまりにも美味しそうで、注文してみた。
そしたらもう本当に美味しくて!!!!!
今までなんで食べてこなかったんだと激しく後悔した。
ただ、やっぱり北海道のイクラだからなんだろうな。
今でも思い出せる、このイクラは本当に美味しかった。
最高の天気の中、国設知床野営場でのんびりキャンプ
正直な話、びしょびしょになって降った僕は、今日も妥協して宿に泊まろうと考えていた。
だけれど、どこもいっぱいで仕方なくこのキャンプ場に来たって感じだったけれど、、、。
これが想像の何倍も最高のキャンプ場で、次も絶対来ようと思えた。
もちろん天気がいいのもあるんだけれど、
なんて言うんだろう、手付かずの自然を生かした、まさにキャンプをしているって感じで。
関東とかでもこんなに自然の中でできるキャンプはそうそうないんじゃないかなって思う。
僕のテントがこんなに小さく見えるほど、大きい木が立ち並んでいる。
僕はこの自然に完全に魅了されていた。
もうあと数日ここに居てもいいとさえ思ったくらい。
暖かな空気と、この自然と、優雅すぎるキャンプ場だ、、、、。
早速テントを設営して、濡れたものを乾かして少し休んだ。
テントの中で横になると、すぐに眠ってしまいそうなくらい穏やかだった。
だけど僕のテント(ツェルト)はシングルウォールだから、休むには少し頼りない。
すぐ近くのウトロ温泉夕陽台の湯へ
少し休んで、コンビニで飯食って、落ち着いた頃に温泉に向かった。
国設知床野営場から歩いてわずか5分程度の場所にある。
温泉だから流石に写真は撮ってないけれど、少しオレンジに染まった空を見ながら露天風呂に入った。
今はこんなに暖かくても、冬には大雪が降る場所だ。
季節の変化ってすごいなあ、とこの土地にいると今更ながらに感じることが多くある。
そのあと、コンビニに寄って夕飯を買った。
ノスタルジックな夕陽をしていた。
知らない土地に来て、初めは不安なことが多かったけど、今はまるで自分のものになったかのように
この夕陽を見て穏やかな気持ちになった。
コンビニから出ると、思い出したように僕は駆け出した。
(そうだ!!夕陽を見なきゃ!!!!!)
国設知床野営場の敷地内に、展望台なるものがあり、そこからの夕陽がめちゃくちゃ綺麗なんじゃないかと思っていて、
ここに来る前から見たいな〜とぼんやり考えていたのである。
国設知床野営場の夕陽大展望台
僕がついた頃にはもうかなりの人だかりができていた。
さっき買ったビールを開けて、僕は完全勝利を飾った。
この北海道のビールが最高にうまくて、ゴールデンカムイのラベルのもある。
肝心な夕陽はと言うと、
あまりにも時間がゆったりと流れていた。
こんなに穏やかでいいものかと、今自分がいるこの土地の素晴らしさを全感情を使って受け入れていた。
知床に来てよかった、心からそう思える風景だ。
波の音が少し聞こえて、少しだからやっぱり穏やかで。
その波の動きもとてもゆったりとしたものだった。
陽が沈み始めると、それはそれでとても趣深いものとなった。
さっきとはまた違う、少し寂しい感情。
今日の日はさようなら〜って歌があるけどそう言うセンチメンタルな歌が頭で流れてる。
今日も終わっちゃうのかあ、こっちに来て6日目だけど、いつかは帰らなきゃいけないんだよな、
と度々終わりのことを悲観的になって考えてしまうのが僕。
少し酔っぱらっていたのもあって、テントに帰ってほどなくして眠った。
明日はサロマ湖の方へ行くけれど、天気がいいと嬉しいな。