北海道自転車一周旅4日目: 「ぼくなつ」してるなあ〜と浸った日【帯広〜釧路】

昨日の台風はもうかなり北の方へ行ったそうです。

 

台風一過と言う言葉を何度も聞いたことがありますが、今日ほどそれを体感したことはなかったと思います。

期待以上に晴れていて、こっちに来てからほとんど曇りと雨だった僕のメンタルを救ってくれました。

 

今日は釧路まで行きます。

本来の予定なら中標津の方まで進んでいますが、仕方ない、ゆっくり進むのです。

 

距離は120kmくらいで大したことないはず。

ここからが本当の北海道ライドが始まりそう。

 

 

カニの家出発、さようなら

カニの家はなんだかんだ居心地のいい場所だった。

朝からおじさんおばさんが大声で会話しているけど、それもすべて北海道のことや旅の話題だから聞いてて嫌な気はしなかったし、こう言うものなんだなあと感じることができた。

 

僕が釧路に発つ日、帯広ではバイク祭りが行われるらしかった。

道をすべて封鎖して、バイカーたちがそこをパレードのような形で走るのだそう。

どうりでカニの家もパンパンだったんだ。

それに巻き込まれると、色々と厄介なことは予想できたから、朝一で釧路へ旅だった。

 

一応写真を撮っておいた。

よっぽどのことがない限り、夏休みシーズンとかはもう来ない気がする。

どこでも寝られると思っていたけど、自分のスペースが他の人に侵略されるのはやっぱり嫌だったな、、。

とはいえ無料なのでその点は最高なこと間違いなし!!!

 

帯広→豊頃→浦幌→白糠→釧路のコースで出発

少し漕ぎ始めると、もうすぐに青空が広がっていた。

ちゃんとした青空は見ていなかったので、何度も立ち止まって写真を撮った。

青空の下で走ることがこんなに気持ちいいなんて思いもしなかった。

 

豊頃に抜ける道。

そして、これまで峠道が多かったせいで直線道路をあまり見かけなかったけど、今日はそういった道がたくさんだ。

 

 

どこを見ても青空が見える。

心の底から青空を欲していたんだなと気づく。

テンションの上がりようが今までと全然違かった(笑)

こう言うのが見たかったんだよなああ!!!

かなり分厚い雲がかかっているけど、進む方向にはないのでオールセーフ。

 

まもなくして豊頃、そして浦幌エリアへ入った。

菜の花が咲いていたりして、本当にのどかな場所だ。

暖かいし、天気はいいし、最高過ぎ。

 

途中、道の駅を見つけて、少し休憩した。

そういえば、帯広来たのにソフトクリームを食べていないことに気づいたので食した!

想像以上に濃厚すぎて、僕には少しくどかった。

もっとさっぱりしたものを食べたかったんだけど、北海道のクオリティが逆に良すぎたんだな。

 

広い空だなあ。

昨日までの台風の影響で皮はだいぶ濁っていた。

 

豊頃から浦幌に抜ける前、行きたいところがあったので立ち寄った。

 

ハルニレの木の存在感

河川敷沿いを走っていると、突如として現れるのがこのハルニレの木だった。

何もないところにポツンと2本の木があって、とても印象に残ってる。

 

ハルニレの木の推定樹齢はなんと、140年

一般的な木は約30〜40年と言われているらしいから、相当長い。

 

そしてこの河川敷、その場にずっと居たくなるほどの心地よさだった。

久々の青空と少し吹いている風が、横浜から遠く離れたこの場所、北海道にいることを強く感じさせた。

 

 

よくよく見ると、親子のようにも見える。

「ここは昔、亡くなった親子を埋めた場所なんだよ」と言われても信じるだろうなあ。

 

浦幌を抜けて海沿いへ

この辺りは直線道路がかなり多かったし、なんせ追い風だったことが本当に気持ちよかった。

でも海辺へ抜けるには少し山を越えなければならなくて、そこがだいぶしんどかった。

気温はは次第に上がってくるし、アップダウンはあるしで体力がかなり削られたのを覚えている。

 

もう少しで海が見える!と思って撮った写真だけど実際のところ、ただの直線道路だな、、。

それにしても天気がいい。

 

北海道で見た初めての海

山道を抜けて、ついに釧路市に突入した。

そして、北海道に来てから初めての海を見ることに僕は心底興奮していたけど、実際の海は想像と全く違った。

 

めちゃくちゃ濁っている、、、、。

恐らく台風のせいなのだろうけど、それにしても先が見えない、永遠に続く泥水を見ていると、なぜかとても怖くなった。

今までもずっと太平洋は見てきたけど、「北海道の海」というスケールが怖さを増幅させた。

 

そして潮風がめちゃくちゃしんどい。

ただでさえ雨でやられてるチャリに悪影響すぎた。

おまけにサングラスを忘れてしまったから目もしんどい。

 

お腹が空いたと一瞬思うと、そこから耐えられなくなる経験、ありません?

急にお腹がすいてきて、余裕をもって買っていた補給食も底をついて、僕はハンガーノックになった。

次のコンビニまでの約5km、死に物狂いで漕いだ、お腹をとにかく満たしたかった。

 

そんな僕を救ってくれるのは、いつもセコマだった。

いつも通り、コロッケとパスタをほうばり復活する。

 

途中、ハウルと動く城で昔のカルシファーとハウルが出会った草原によく似てる場所を見つけた。

幻想的で、思わず写真を撮らずに入られなかった。

 

そして僕のだいぶ後ろの方に、猛烈な勢いで僕に迫ってくる一台の自転車がいた。

なかなかいいペースで走っていたので、正直抜かれることは全く想像していなかったけど、すぐに追いつかれた。

驚くことに、その人はカニの家で一緒に泊まっていたおじさんだった!!!!

向こうも僕のことを覚えていて、「やっと追いついたよ」と息が上がって少し苦しそうな顔で、僕に声をかけてくれた。

一瞬で抜かされたけど、泊まるのは釧路のキャンプ場らしかったから、どこかで会うかもですね〜!といって別れた。

その後会うことはなかった。

 

恐ろしい、釧路の虫たち

その後も、今日のキャンプ場である花山公園オートキャンプ場を目指して進んでいると、

前方に無数の点がいることに気がついた。

少し距離が縮まると、それが何かは容易に確認が取れた。

それは、コバエの大群だった。

僕はとにかく虫が苦手なので、本当にしんどかった。

今こうして書いている時は平常心なのだけど、当時はコバエに身体中を囲まれ、ハチも寄ってくるし、本当にしんどかった。

ハッカのスプレーを全身にかけたら、かなり効果があったのか次第に離れていったけど、、コバエのせいで蛇行してしまった僕はなんどもクラクションを鳴らされた。

その度に、車はいいよなああ!!!!!!!!と思ってペダルを強く踏んだけど、離れるどころか、また次の大群がくるからキリがなかった。

 

しかもこれ、北海道の北見で作られていて、北海道の強靭な虫たちでも効果があるように、と作られたらしい。

どうりですぐに虫たちが離れたわけだ。

 

花山公園キャンプ場は、少し奥まったところにあり、左に折れて、海辺を離れた。

方向的に言うと、釧路空港の方向へ進む。

そこもアップダウンが多くてしんどかったけど、もうコバエが追いかけてこない開放感と、夕日に照らされて気持ちよくなっていた。

ここの空間は、すごく不思議だったのを覚えている。

なんと言うか、天国?

いったことはもちろんないんだけど、穏やかで車の音も一切せず、鳥だけが鳴いていた。

 

そしてほどなくしてまた平地に戻る。

花山公園キャンプ場に向かうまでの道は、例えるならサバンナみたいだった(行ったことないけど)。

あたり一面荒野で、シカもいたし、ってか写真にシカ写ってるし。

 

花山公園オートキャンプ場に等到着!

やっとついた!

ここで今日の精神的な疲れを癒せるぞ!と思って入ったこのキャンプ場、ここからが本当の地獄の始まりだった。

 

入ってすぐに思ったのが、虫が多すぎる。

入り口からさらに自転車で5分くらい漕ぐ、奥まった場所にあるから仕方ないかもしれないが、もはや森の中だ。

 

テントサイトにももちろん大量のコバエやら蚊やらアブやらもうよくわからない状態だった。

とにかくテントだけ秒で設置して、着替えて、逃げるようにして僕はお風呂に向かった。

だけど、聞いた言葉は「お風呂はここから3km先です。しんどすぎwwwwwwww

疲れ果ててる僕にその距離を走れる力はなく、仕方なくシャワー浴びた。

 

シャワーを浴び終わって久々の洗濯をしている間に、

もう一人チャリで来てる人がいるのを思い出した。

そしてその人がちょうど僕の前を通った。

きっとお互いがお互いの存在に気づいていたみたいで、自動的に話が始まる。

普段は初対面の人とはあまり進んで話さない僕だけど、旅先ではすぐに饒舌になる。

 

どう言う経緯か話が弾んで一緒にご飯をいただけることになった!!

カレーと、北海道限定のビールをのみ、最高の夜だった。

その方は、「コクボ」さんと言う。

今はミニベロで道東を中心に周っているらしい。

コクボさんとは、東京に帰った後も一度会った。

 

「ぼくのなつやすみ」北海道編を満喫している

そして、僕は最高の景色を眺めた。

頭上には満点の星空が広がっていた。

こっちにきてからずっと天気が悪かったから、星空を見たのはこれが初めてだった。

旅をしている、僕は激しく感じた。

同時に、これからどんな景色が待っているんだろうと、本当にワクワクした。

 

明日は釧路湿原に向かう。

ずっと行きたかった場所で、ずっと見たい景色があった。

 

「ぼくのなつやすみ3」のボク君の様に僕は今夏休みを謳歌できているだろうか。

こう言うのは、終わって写真を見返している時とても寂しく思うから、

今、この瞬間を最大限に楽しむ。

大学4年生の、この大切ななつやすみを最高のものにするために。