乗鞍エコーラインの頂上で見えたものvol.4

僕たちは三本滝レストハウスから走り始めて、

いよいよ畳平に到着する。

 

ここまでの景色ももちろん、

絶景だったけれど、だんだん頂上に近く高揚感、

そして見えてくる道の終わり。

 

 

あの日僕たちが見た景色は間違いなく忘れることのないはずの

絶景だった。

 

前回まで道のりはここから読めます

道の終わり

 

ついに終わりが見えてきたぞエコーライン…。

前回の乗鞍アタック(2年前)に比べ、天気はいいし暖かいし

なにより三本滝レストハウスから走っているおかげでダメージが少ない。

 

僕は本当に気分良く走る。

体はある程度は疲れでいたけれど心は元気だ。

 

 

何よりこの景色が後押ししてくれる。

絶対に崩れることのない確信のある晴天。

なんの心配もなく頂上を目指すことができる。

 

自転車と景色を一緒に撮ることはこれまで少なかったけれど、

これは撮らずにいられない。

 

これで登ってきたんだぞ!!

という証。

 

 

振り返ると、これまでに登ってきた道からたくさんのバスが近づいてきているのが見えた。

あれに抜かされるとかな〜りやっかいだと思って、思いっきり踏む。

 

頂上まではもうわずかなのを感じた。

これだけ見ると北欧の山岳コースを走っているかのような気持ちになる。

こんな景色を楽しめるのは乗鞍か四国カルストくらいか。

 

 

あの左に折れた先に頂上がある。

三本滝レストハウスから登ったから、究極のライドではなかったけれど当然疲れるし

しんどい時もあった。

 

だからもちろん達成感は凄まじい。

車でもバイクでも味わえないこの達成感。

多分だけれど自転車でしか感じられない。

 

頂上で見えたもの

頂上の岐阜と長野の県境を越え、やっと頂上にたどり着く。

 

そこには、ここまで自力で登ってきた人たちにしかわからない景色が

広がっていて、皆の表情は決まって晴れやかだった。

 

ああ、本当に登ってきたんだなあと思うし、

ここにいる人しか感じることができないものがあったなと思う。

 

 

レストハウスが遠くに見える。

この日は確か世間では5連休だったから、登山観光客で溢れかえっていた。

登り終えた登山客たちが、降るためにバス停で並んでいる。

これを見ると、自力で登って降りられることに少し得意げな気持ちになる。

 

兎にも角にも、あれに並ぶのは死んでも嫌だと思う。

 

イエローさんと英輔が来るまで、乗鞍岳に登ろうと言うことになった。

当然だけれど、短時間で登れるものではないから途中で引き返す。

ビンディングシューズを履いていたし、結構危険だった。

 

少し登った乗鞍岳から見えた景色。

ひたすらに連なる道。

向こうから僕たちと同じように走ってくる自転車が見える。

彼らもきっと同じようなことを感じるんだろう。

 

それにしても並んでるなあ…。

登山客を横目に、僕たちはホッと一息休憩。

 

気温は6度。

前回はマイナス5度だったっけ?

この気温でもかなり暖かく感じる。

 

パッキングがかっこいいな…。

本当は今はクロモリが欲しいけれど、このチャリにもかなり愛着がある。

 

暖かい紅茶を飲んで、僕たちはまた降る。

まだ9月だからいいけれども、陽が落ちたらだいぶ寒くなってしまうから。

 

最後にまた自転車を撮ってキャンプ場への帰路へついた。

 

皆揃って、よかったなあ、絶景だったなあ、と幸せな感情だった。

 

 

さようなら長野

次の日の朝まで僕たちはキャンプをして、それぞれの家路につく。

帰りに見えた富士山が印象的だった。

毎日見ている富士山だけれど、見る場所によって大きく姿を変える山。

 

またみんなで行けるといいなあと思う。

何かが終わる時はいつも寂しい。