【3/6】ラテンアメリカを巡る、メキシコ・キューバ10日間の旅【バス1800kmの旅】

メキシコ・キューバ旅行第三弾です。

 

この日は、メキシコのリゾート地「カンクン」へ飛行機で旅立つ日。

朝早く起きて空港へ行き、無事チェックアウトを完了させる……。

 

さあ飛行機へ乗ろう!リゾート地楽しみすぎる!

無邪気にはしゃいでいた僕を襲った悲劇とはなんだったのか。

(想像以上に壮絶と思う)

 

どうしていつも僕なんだろうと思わず笑ってしまうようなエピソードです。

 

空港でみんなとはぐれました

朝7時くらいだったかな。

空港に着き、そんなにおいしくないけどそこそこ高い朝食を摂り、自動券売機でチェックインを済ませました。

 

そして時間になり、ゲートへ。

いつもならみんな僕を心配してくれて、いち(僕は人によってはいち、呼ばれています)いる?平気?

みたいに言ってくれるんですが、この時に限っては僕が最後尾に並んでおり、みんなの方が先にゲートに入りました。

 

並んでいる時は、係の人が「アリガトウゴザイマァス」

とかカタコトの日本語話せまっせ!みたいにアピールしてきたので、

「日本語めっちゃうまいじゃん!僕もスペイン語少し話せるよ!」

などとめちゃくちゃ呑気に係の人と話してました。

 

そして僕の順番が来てチケットを出すと、

 

「このチケットじゃ飛行機乗れないよ」

 

と言われ、当たり前ですが

ファッ?!?!?!?!?!?!?!!??!?!?!?!

となりました。

 

僕はなんでか聞きましたが、細かいスペイン語を聞き取れなかったのと、

みんながもう中に入ってしまって、僕が中に入れないと言うことをみんなに伝える術がなく焦っていたので、

全然理解できずにとにかく列から離れて券売機にもう一度行き、再発行したり係の人に聞いたりしましたが理由はわからずでした。

 

そしてあわあわしていたら、異変に気付いた友達のうちの一人が戻ってきてくれて、

「どうしたの?!」と言う話になるわけです。

 

僕はもう薄々乗れないことに気付いていたので、

「多分カンクン一緒に行けないわ。先行ってて。」と伝え別れました。

 

これチケット取り直したらどうなるんだろう、と受付で聞いてみると、

7万?くらいかかるみたいで、当日チケットはめちゃ高かった。

僕たちが取っていたチケットは確か2万くらいだったので、そんなに高いのを出せるわけもなく、

とりあえず飛行機で行くことはそこで断念せざるをえなかったのです。

 

だったら先にキューバ行けばいんじゃね?と思い聞いてみると、

それもまためちゃくちゃ高く、諦めました。

 

何もかもが詰んで、あまりの孤独感と焦りで吐き気などもしたくらいに辛かったですが、

とりあえず椅子に座り、ぐったりしました。

 

初めから一人ならここまで動揺しなかったと思いますが、

遠い異国の地でみんなとはぐれて、さらに一人で1800km先まで行かなきゃ行けない。

今思い出しても相当メンタルやられてたと思います。

(メンタルやられすぎてさらに災難が来たのはまた後のお話)

 

とりあえず落ち着いてから、空港内にあるスタバのクッソ弱いWi-Fiを使い、

「メキシコシティ カンクン 行き方」と調べると、

「メキシコシティからカンクンへバスはおすすめしない!飛行機が安い!」

みたいなサイトがめちゃくちゃ出てきて、でも飛行機でも行けないよ….とさらに萎えました。

 

どうしてバスがおすすめできないかと言うと、

距離が1800kmある上に、未舗装路などを走るから、座っているだけでも相当きついらしい。

 

メキシコシティからカンクンへ、バスで移動

ほぼメキシコ横断やん。

だけれど、バスだと13,000円ほどで行ける。

この値段も正直払えないほど僕は貧乏だったけれど、これに乗るしかない。

 

そう思い、なんとかタクシー乗り場に行き、

いい人そうなタクシーの運転手を探しました。

 

そしてタクシーに乗り、カンクンまでバスで行きたいんだけど、どうしたらいい?

と聞くと、隣町にある大きなバスステーション「ADO」から行けるよ!

と言うのでそこに行ってもらうことに。

 

当初の予定だと他の場所から行く予定だったので、行き先を変えてもらったのにも関わらず、

値段を変えずに行ってくれたのは本当に親切な方だと思いました。

(日本に帰る前、同じ場所でこの人と涙の再開を果たした)

 

ADOに着くまで、何度も「何番線の〇〇から発車するぞ!」

と教えてくれ、迷うことなくADOの受付まで行けて、感謝しきれなかったです。

 

よほど動揺していたのか、ピントが合ってませんが、この方です。

 

みんながカンクンにつき、Wi-Fiを手に入れた頃、僕はADOにつき、事情を説明。

心配してくれていましたが、僕はみんな怒ってないかなとヒヤヒヤしていました。

(いつもトラブルメーカーで、みんな本当ごめんね)

 

ADOの受付に着き、カンクンに行きたい旨を伝えると、

その日はもう直通がないらしい。

 

直通だと23時間で行けるところを、それ以外だとメリダ経由で30時間かかる。

もう何がなんだかわからないよ……。

しかもし出発が4時間後の16:30とかで、することないし充電やばいしどうすればいいの….。

と、とにかく不安でした。

 

オーバーブッキングで乗れなかった

暇だったので、どうしてこうなってしまったか調べていると、

結論から言うと、オーバーブッキングだったらしい。

中南米の格安航空だとよくあるらしいんですが、キャンセルが出る前提で席数より多い予約を取るらしく、そうなると数人が乗れなくなるシステムになっているそう。

たまたま僕がその弾かれる人になってしまい、今回の事件が起こりました。

 

自動チェックイン機のようなものでチェックインを済ませたつもりが、

僕のチケットだけ座席番号と個人情報が記載されておらず、

英語とスペイン語で「これは搭乗券ではございません。係の人に見せてください」

と書かれていて、これに気づかなかった僕も悪いです。

でもキャパオーバーで予約させる会社も悪いよね….??????

 

そして僕がそのチケットに気付いていれば、時間内であれば

返金&次の便の予約、までしてくれるらしく、僕はそれには間に合いませんでした。

 

とりあえずバスに乗れることは決まったので、あとは待つだけ。

不安な気持ちは全く消えなかったですが、とりあえずハンバーガー食べました。

味がしなかった。

 

16:30 カンクンへ出発

あたりはもうすっかり夕焼けに染まっていて、これから暗闇に包まれてしまう恐怖が強かったのを覚えています。

暗いよりも明るい方がなんだか心は穏やかになれる気がするんですよね。

バスの中はそこそこ広くて、くっさいトイレがついていて、隣にはおばちゃんが座っていました。

窓際でよかった。

Wi-Fiはありましたが、確か15分しか使えかったのを覚えています。

USBがついていたのでにも、充電はできました。

 

とりあえずみんなと家族には連絡をして、安否報告。

 

家族ラインですが、多分あんまり心配していない(笑)

 

ずっと暗闇。心細い

あたりは真っ暗になって、もうしばらく経ちました。

22時くらいになって急に寒くなり、唯一持ってきた上着を羽織ってなんとか防寒をします。

きっと山岳地帯に入ったんだと思いました。

 

Wi-Fiが通じないから居場所もわからないし、あたりも暗くて見えず、

頼る人もいなくて、この時間は本当に不安だったのを覚えています。

 

それから少しして、眠気が来て眠れました。

確か8時ごろに起き、乗っている人が半分くらいになっていました。

なんだかんだで10時間くらい眠ることができて、いい時間潰しになった気分。

 

それからは音楽を聞いたり、スペイン語の映画を見たり、また眠ったり。

人間やることがないといつでもどれだけでも眠れるんだなと思いました。

 

お腹も空かないし喉も乾かない。

結局この30時間で何も口にしなかったと思います。

 

その日の午前は雨でした。

路面も天気も悪くて気分は沈みましたが、だんだん心に余裕が出てきて、

心配してくれているみんなには申し訳ないけど、これはこれで旅っぽくてアリだな、

と思っている自分が少しいて、楽しんでいました。

 

午後には天気も回復し、安らぎがどんどん戻っていきました。

メキシコ人は本当に親切だ

お昼過ぎに乗り換えがあり、また19時ごろに経由地である、メリダでも乗り換えがあり、

このバス旅では計2回の乗り換えがありました。

 

バスターミナルの乗り換えでは案内板がなく、どのバスに乗ればいいかわかりませんでしたが、

たまたま隣にいた方に聞いてみたら、「〇〇分にくるバスだよ」と教えてくれました。

おまけに、バスが来たときに「あれよ、一緒にいきましょう」とバスの座席まで案内してくれて、

なんて親切なんだろうとありがたい気持ちでいっぱいに。

 

メリダでも同じような経験をして、メキシコ大好き状態になりました。

あまりにも親切すぎるな、みんな。

海外での扱われ方にそれほどいい思い出がなかったので、そう言う意味でも嬉しかったです。

 

23:00カンクンに無事到着

みんなに伝えていた時間よりも3時間ほど遅くバス停への到着になり、

迎えに来てくれていた友達をずっと待たせることになってしまいました。

本当にごめん、そしてありがとう。

 

30時間の激闘の末、僕はなんとかカンクンにたどり着くことができました。

友達の顔を見た瞬間、日本語を話した瞬間、あの時ほど安心した瞬間はなかったように思います。

 

思い返してみれば

無事着いたから言えることですが、思い返してみれば、

この経験はなかなかいいものだったのではないかと思っています。

 

笑い話になるし、これからは急に一人ぼっちになってもなんとかなる精神で進める気がします。

それに、メキシコ人の優しさにも触れられたわけですし。

 

まあ、僕のそそっかしさがなければ、全て起こらなかったことなんですけどね。

 

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