北海道自転車一周旅5日目: 念願の釧路湿原と開陽台を走った。北海道のスケールはでかすぎる。【釧路〜中標津】

北海道自転車一周旅はもう5日目。

 

こっちに来てもう随分と日が経った気がするのは、昨日の虫のせいで心が疲れているからだろうか。

だけど、いざ走った場所を思い出すと、行きたいところにはまだまだ行けていないことに気づく。

 

今日も自転車を漕ぐ。

ずっと来たかった土地だ。

行きたい場所は大方制覇したい。

 

疲労した身体とは裏腹に、ワクワクした気持ちが強まっていった。

 

4日目の記事はここから読めます。

北海道自転車一周旅4日目: 「ぼくなつ」してるなあ〜と浸った日【帯広〜釧路】

 

 

落ち着いた朝

06:30a.m

割とスッキリした目覚めだったと思う。

昨日の夕方から夜にかけての大量の虫には本当に驚かされたけど、コクボさんと飲んだビールの影響か、かなり深い眠りをしたように思える。

 

恐る恐るテントから出ると、

朝方は、目立った量の虫はいなかった。

 

北海道という土地の自然を堪能させてもらっているのだから仕方ないことだけど、

それにしても、本当に害悪な虫だった。

しばらくは脳裏から消えなさそうだ。

もしまた釧路に来ることがあれば、その時は万全な対策をすることを誓う。

 

朝露のせいで芝生やテントがかなり濡れてしまっていた。

北海道に来て、シングルウォールテントじゃダメだなと感じている日々。

雨や朝露に弱すぎるから。

 

いつも通りのんびり支度をして、出発をする。

コクボさんは「多分寝ているだろうから、また本州で会おう」と昨晩は言っていたけど、

僕が支度をしている間に目が覚めたのか、テントから顔を出して「気をつけて」と挨拶をしてくれた。

 

旅先で誰かと仲良くなることなんてないだろうと思っていたけど、

4日目にして思いがけない出会いだった。

実際、本州に帰って1ヶ月もしないうちに僕たちは再びお酒を飲み交わした。

旅は、人と人との距離をグッと近づける不思議な空気感がある。

 

そういえば、キャンプ場の写真を一枚も撮ってなかった、と半ば強制的にシャッターを押した。

本当はキャンプの様子を撮りたかったけど、本当にそれどころじゃなかったから仕方ない。

あの森の中にテントサイトがあるから、そりゃ虫が多いよな。

 

曇天の釧路湿原に向かう

釧路の道は、緑の多いサバンナのようだった(行った事ないけど)。

自転車か人、もしくは獣しか通れない、細い1本道をひたすら進む。

空は分厚い雲に覆われていた。

 

こっちに来てから晴天だったのは昨日だけじゃないだろうか。

まあまだこれから日数はあるわけだし、、と思い気を取り直す。

 

左右には、このような自然が広がっている。

関東ではなかなか見られない光景。

これだけで僕は本当にワクワクした、この土地には魅力が詰まりすぎている。

 

そして着いたのが、釧路湿原展望台

「ようこそ 霧とロマンの街 釧路へ」

霧の街というのは理解できた、まさに今朝のような様子だ。

ただ、ロマンの街、というとまたちょっと違う気がする、、、。

僕のような人間にとってはロマン溢れているけれど、一般的なロマンとはまた違うような、、。

 

他にも色々展望台はあるけれど、釧路湿原を一番俯瞰して観れるのが、ここのようだった。

展望台までの階段を登っていく。

最後のエレベーターのなかで、僕の心はこっちに来てから一番踊っていた。

、、、曇天だけど悪くなかった。

ただ、展望台はそれほど大きくなく、他のアングルで撮ることができない(50mm単焦点だし)から、おお!!と写真だけではならないかもしれないけれど、本物はもちろん良かった。

信じられないくらい雄大だった。

それもそのはずで、大きさは実に大阪市や山手線がすっぽり入ってしまうくらいだそうで。

 

どうせなら他の展望台からも眺めようと思ったけど、先を急ぎたかったし、ビンディングシューズで歩くのがとても面倒に感じられたからやめた。

本当はもっとのんびり、何もかもを忘れるつもりでこの地を堪能したいが、僕の性格上、そうも行かないから難しい。

 

釧路湿原を出てすぐに下りに入った。

右手に目をやると、さっきとはまた違う景色が観られた。

「すごいなあ」「でかいなあ」

僕の語彙力ではそれくらいだけれど、本当にすごくでかかった。

 

目的地は中標津。2時の方向へ

今日のコースはざっとこんな感じ。

開陽台のキャンプ場に泊まろう、と言うのが当初のプランだった。

だけど色々と調べているうちに、自転車でキャンプするにはかなり条件が悪いと言うことを知って

中標津まで進むことに決めた。

 

昨日ほどの晴天ではないが、少しだけ青空が見えている。

完全な曇りではなくて、少しホッとする。

ここまで来たのにずっと天気が悪くては残念でしょうがない。

 

ひたすら国道274号線を北上する。

思った以上にアップダウンが多くて、しんどい。

しんどいなあ、と思うたび、次は絶対原付で来ようと思うんだけど、帰宅して少し経つと

「チャリまじ楽しい!!またチャリで行こ!!」とまるで反省しない。

 

パッとしない天気のままずっと進む。

少しの向かい風とアップダウンと、僕の体力は少しずつ削られていく。

だけどいつでもどこでも休めるのが北海道。

苦しかったら路肩に腰を下ろして休めばいい。

そう思うとかなり気楽に漕げた。

 

 

それにしても、標茶地方は丘が多い。

ジェットコースターのような道を進まなければいけない。

Windowsのような景色が続くのは気分がいいけれど、身体辛いのも事実。

 

そして、この標茶、2日前から複数の熊が牛を食い殺しながら牧場を転々としているのだった。

恐ろしすぎる、、、、、、。

数個の牧場を横切ったが、気のせいかもしれないけど、牧場に牛を1匹も見なかった。

食い殺されたのか、避難しているだけなのか、定かではないけど、とても静かだった。

 

どこまでも緑が続く標茶。

 

果てし無い直線、養老牛虹別線

道道885号線に入ると、これは北海道の中でも有数の直線道路なんじゃないか??

と思うほどの直線が続いた。

(これは虹別69号線だけど)ところどころ青空が広がっていた。

確かこの写真、(これほど夏休みっぽい風景はないな)と思い撮影したけれど、

久しぶりに見ると、その時感じた気持ちを再現できる。またこの地に戻りたいと強く思う。

 

中標津に入ると、頻繁に牛を見るようになった。

こっちではまだ食い殺されていない=まだ熊が進出してきてない、と思い安心した。

 

885号線の左手には、羊蹄山のような山の姿があった。

調べてみると、斜里岳のようだった。

北海道は、富士山のような孤立してポツンと立つ山が多い気がする。

美しく、雄大だと思った。

 

地球が丸く見える場所、開陽台

開陽台に上るには相当な激坂を走らないといけない。

獲得標高を見ても、開陽台の手前だけクイッと急角度で右肩上がりしていたので、覚悟していたが大したことなかった。

途中までは。

開陽台がいよいよ見えた!!と言うところまできたものの、そこからが地獄だった。

「まじかよ、、、」思わず声が出たほどの坂だった。

荷物を積んでいる僕にとっては本当に辛い坂だったけどなんとか上り終える。

 

早く景色を見たいあまり、展望台までの階段を駆け上がった。

想像をはるかに超える、地平線だ。

これはすごい、地球が丸く見える。素直に感動した。

曇りなのがかなり残念だけど、自分の足でここまで上がって、さらにこの景色を見られて幸せだと思った。

 

反対側には、当初僕が使おうとしていたキャンプ場と、牧場があった。

なんと言うスケールだろう、、、。

 

展望台の中には、色んな人が撮影した開陽台の写真や摩周湖の写真が飾ってあった。

星空や雪景色が多く、そういった写真を見るたびに、次は冬に来ようと思う。

 

中標津、宿処 鶴亀で知床に備える

開陽台から道道150号を使って南下すると中標津街に着いた。

確か、14時頃だったかと思う。

今日は宿処 鶴亀に宿を取った。

値段は素泊まりで3500円だったか。

https://ioairline.wixsite.com/turukame

めちゃくちゃ安い、と言うわけではなかったけれど、昨日の精神的ダメージの埋め合わせをするには

オフトゥンで寝る必要が絶対にあったのだ。

 

九州や四国、北海道を自転車で周って思うけど、毎日キャンプは正直しんどい。

たまに、壁に囲まれた空間でオフトゥンで挟まないと心がしんどくなってしまうのだ。

 

そして、この宿の部屋は完全に俺得だった。

 

天井近くに掛けられていた突っ張り棒のおかげで、

今朝の朝露でやられたテントとグランドシートを完全に乾かすことができた。

 

また、同じウェアを複数回着るクセがある僕のはもってこいのアイテムも。

温泉ではないけれど、貯めれるタイプの湯船がついた風呂もあって、こっちにきてからだと

かなり贅沢な宿だった。

昨日はシャワーだけで済ませてしまったから、幸せだった。

 

シャワーの後、僕は少し甲子園を見て眠りについた。

起きた時には、もう完全に辺りは暗くなっていた。

昔からだけど、昼寝して起きたらもう暗くなっている時、僕はとても嫌な気持ちになる。

もう今日が終わるのかと。

暗いから純粋に恐さとか気怠さとかがあってそう感じるかもしれない。

 

重たい体を起こして、徒歩1分くらいのレストランに入った。

キッチン飛鳥と言うレストラン。

70歳くらいおじいさんが一人で営業していて、なんだかとても申し訳ない気持ちになった。

出てくるのに少し時間がかかっていたけど、逆にこだわりのような、手の込んだ人なんだな、と感じた。

 

頼んだのは、ハンバーグ。

おじいちゃんが作っているのと、この店があまり人の目につかないところにあること、とても美味しいこと。

全ての要素が僕を感傷的にさせた。

 

完食して、精一杯のお礼を告げて店を出た。

 

旅は、僕の心を度々感傷的にさせる。

 

明日は知床峠へ

宿に戻り、明日の支度をほどほどにして眠りについた。

 

明日は知床峠に向かう。

天気はかなり良くない予報だけれど、話によると羅臼側と知床側では天気が違うと聞いたから、

どちらかが悪くてもどちらかがいい可能性もある。

 

まあ僕は基本的に運が悪いからあまり期待しない方がいことは確実だった。

 

昼寝したのに即寝だったはず。

寝る前にこれまでの景色や出会ってきた人を思い出す。

本州にいたら大したことないと思う出来事も、ここにいると感性が研ぎ澄まされ、

色々なことをより多く感じることに気づく。

 

まだ5日目だけれど、僕はこの土地が本当に好きだと思う。

 

 

 

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