僕が今住んでいる街の近くには、「多摩川」という一級河川が流れています。
東京に住んでいる人なら、知らない人がいないほどに有名な川です。
そしてその土手からは綺麗な夕焼けを拝むことができます。
僕の実家も川の近くにあり、高校生の頃はよく部活帰りに遠回りをして
自転車で土手を走って家に帰ったのを覚えています。
きっと、今でも本能的に同じ穏やかな時間を求めているんだと思います。
土手×夕焼けについて
個人的に、土手と夕焼けの相性はとてもいいと思っています。
夕方、西の空がオレンジに焼けていると、
つい立ち止まって眺めてしまうものです。
東京なので、車は多いです。
ましてや僕はカブ50ccなので、車と同じ流れで走ることはできません。
だけれどかえってマイペースに走ろうという意識が強まるので、穏やかな時間です。
楽しい、とかワクワクする、とかそういう感情は全くありません。
ただただ心地良くて、安らぎの時間です。
その日に嫌なことがあっても、この道を走って
夕焼けを眺めているだけで、どうでもよくなります。
もう何度も同じ道を通っているはずなのに、
毎回飽きずに同じ道を走り続けています。
カブに乗るということについて
カブは、旅をするのにぴったりの乗り物です。
原動機付き自転車です。
去年の夏には、静岡から青森まで自走し、フェリーで函館に渡り
北海道を一周して帰ってきました。
僕のカブはエンジンが悪いのか、最近はもう40km出すのが精一杯です。
たまにエンジンストップを起こすので、信号待ちで焦ることもしばしばあります。
そこが愛おしいのです。
急がなくていいよ、と言ってくれているようで、
カブに乗っている間だけは、何からも縛られず
何も考えずに右手でハンドルを回すだけです。
これからも嫌なことや苦しいことがたくさんあると思います。
その度に僕は、カブに乗って、また同じ道を走るんだろうなと思います。
地図は見ません。
上流に向かって西へ走り
下流に向かって東にに走れば戻って来れます。
道に迷っても、川沿いに出れば戻って来れます。
道標のようなものです。
夕焼けについて
ただ、夕焼けを見ると、苦しい気持ちにもなります。
一日の終わりを感じるからです。
どうして一日の終わりを感じる時に、寂しくて苦しい気持ちになるのかはわかりません。
せっかくの美しい景色が、暗闇になるのが嫌なのかもしれません。
ずっと同じ美しい景色を見続けたいのかもしれません。
これはずっと昔から一緒です。
環境も年齢も変わっても、同じ気持ちでいられることに安心感を憶えます。
きっと何かが変わってしまうのが怖いんだと思います。
初めての気持ち
初めての職場
初めての人
初めての道
初めての街。
だから何度も同じ道を通るし、
何度も同じ景色を求めてしまうんだと思います。
また、夕方のどてで生活している人たちは
どこか明るく、前向きに見えます。
暗い人同士がくっつかないように、
本能的に自分から逃げているんだと思います。
カブに乗ると、色々なことから逃げられるんだと思います。
また同じ道を走ります。
さようなら。
他のおすすめの記事です