北海道自転車一周旅7日目:悪夢の日々の始まりと、地獄の145km【知床〜サロマ湖】

7日目。

 

今いる国設知床野営場は、今まで行ったキャンプ場の中でも3位に入るくらい大満足だった。

また、理由はわからないけど朝露もなくて楽な片付けだった。

何もかもが最高。

 

今日は、ウトロから出発して天に続く道→網走→サロマ湖の方へ行く予定。

天気が良くて自分に余裕があれば能取岬にもいけたらいいなといった感じ。

 

何がともあれ天気が良ければ文句ないんだけれど。

 

6日目はこちらから読めます。

北海道自転車一周旅6日目その1:知床峠ヒルクライムと国設知床野営場キャンプ【中標津〜知床】

北海道自転車一周旅6日目その2:知床峠ヒルクライムと国設知床野営場キャンプ【中標津〜知床】

 

 

国設知床野営場の朝

部屋の中での目覚めもいいけど、キャンプ場の目覚めもいい。

爽やかで、旅してるわあ感が凄まじい。

全部の記事で、この寝起き論争をしているかもしれないけれど、寝起きのヴァイブスはそれくらい大切。

朝で全ては決まる。

僕の場合、90%で気だるく起きるからどちらにしろだるい朝なんだけれど。

 

国設知床野営場を出発して、まずは斜里町にある天に続く道へ向かう。

 

斜里町、「天に続く道へ」

北海道のことを調べ始めて、まず衝撃を受けたのがこの「天に続く道」だった。

やべえ!!北海道ってこんな道があるの!?!?!って衝撃を受けたことは記憶に新しい。

 

そう考えると、毎日何かしらのビッグイベントというか、目星の場所がありそこへ向かってる。

(なんの目的地もなく漕ぐのはキツすぎて無理)

 

コースは簡単で、334号線→244号線→239号線を使ってサロマ湖へ向かう。

だから初めの方は知床半島の左側に沿って走る感じ。

 

まじで変わった名前の「オシンコシンの滝」

北海道では変わった名前が多いけれど、思わず笑っちゃいそうな名前なのがオシンコシンの滝。

オシッコみたいじゃない?

オシンコシンの滝の激しい水しぶき

特に興味があった訳ではないけどトイレ行きたかったし寄ってみた。

思っていた以上に大きくて、来て良かったとすぐに思考回路が入れ替わった。

それに、観光客が10人くらい来ていたからやっぱりみんな来る場所なんだろうな。

 

そしてまた少し漕ぐと、

柵に囲まれた鹿たち鹿オンリーの動物園があった。

どうみてもシュールな光景だったけれど、北海道だからこそ成り立つものだ、、、。

 

334号線について

僕は漕いでいて334号線がすごく好きだと思ったし、今写真を見返してもやっぱり良いなと思った。

オホーツク海と対向車線から来るバイク

天気はかなり悪いけれど、オホーツク海?を右手に綺麗な道路を走ることができる。

基本的に下り調子で、漕ぎやすかった。

オホーツク海と遠くに見える斜里町

そして一番好きなのが、この風景。

知床半島からは斜里町がとても小さくだけれど遠くに見ることができて、

見渡す限りに半島のような形で視界に広がっている。

 

これから向かう場所の風景が一望できるなんて北海道まじですげえ!

と思った瞬間だった。

 

自転車だとキツい天に続く道

知床半島をちょうど走り切ったくらいで、斜里町の天に届く道が突然現れる。

確か、看板が出ているからすぐにわかるはず。

 

天に続く道まで2.3kmの小さくて縦長の多い道路標識

この先にあるのか、、。

熊さん可愛い。

 

天に続く道へ向かう上り坂の途中のひまわり畑

さっきの坂を登り始めてから、右手にひまわり畑が見えた。

北海道でひまわりを見たのはこれが初めてだったもしれない。

そしてその向こうにはオホーツク海まで見えそうな地平線?水平線?が広がっていた。

 

天に続く道

そして登り切ってほどなくしてからついたぞ、、、、天に続く道。

単焦点レンズでズームとかができないからイマイチスケールが伝わらないけど、

見渡す限りに広がる地平線が、他の土地では見られない景色だった。

 

ただ、思ったのと違うと言うか、僕のタイプとはまた違う絶景だったから、衝撃は少なかった。

けれどこう言うのは経験してからでないと語ることはできないからここに来た、と言うことに意味があると思っている。

 

特に用はないけど、通過点網走へ

サロマ湖の方へ向かうには、網走を通過する。

網走といえば、網走監獄が有名なんだけれど、当時はまだ興味がなかったから行かなかった。

(ゴールデンカムイを読んだ今、めちゃくちゃ後悔してる。アシリパさん可愛い)

 

天に続く道の激坂を猛スピードで下ると、平坦になった(当たり前)。

とはいえ風は東から西へ吹いているようで、今日はこれから先も追い風になる予感だった。

 

平坦になってから少し経ち、振り向くと山がそびえ立っていた。

斜里岳

斜里岳

おそらく斜里岳だと思う。

前にも書いたかもしれないけれど、北海道は山脈より単独山が多い気がする。

だから、富士山のようにめちゃくちゃ美しく見える。

この日は曇りだったけれど、僕はとても雄大だと思った。

 

その後も244号線を走る。

天気がめちゃくちゃ悪くて、今にも雨が降りそうだった。

また、創造に反して、244号線は向かい風だった。

てっきり追い風だと思っていたのと、思った以上に疲労が溜まっていることもあってペースが思うように上がらなかった。

加えて、気温が低い。確か13〜15度だった記憶がある。

 

ただ、途中左手に見えた、涛沸湖の風景が僕はとても好きだった。

涛沸湖

ハウルの動く城に出てきそうな、広々とした草原だった。

湖には、白鳥が集まるらしい。

 

この頃から雨が降り始めた。

僕は本当にテンション萎え萎えだった。

 

雨でも、旅が楽しい!平気!と言う人がいるかもしれないけど、僕は違うタイプ。

悪環境になればなるほど、比例して萎える。

しかも、向こう1週間くらいずっと晴れることがないらしいからなおさらだった。

 

網走市街まで14kmの道路標識

網走に突入した。

まだ小雨だったことが功を奏し、追い風になり、幾分気分が楽になった気がした。

 

網走に到着して、少しハンガーノック気味だったからセブンでお弁当と行動食を入手した。

セブンイレブンのイートンは暖かくて、うとうとしそうだった。

これじゃいけないと思って外に出る。

豪雨だった。

(「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」 )

僕は心の中で激しい脱糞をし、ペダルを回し続けた。

ガチもんの雨だった。

 

そこからの記憶は正直曖昧ですすみません。

 

豪雨の中サロマ湖へ!GO!

暗い気分だったけど、見出しは明るくしてみた!(サイコパス)

 

能取湖なんかには一瞥もくれずに、僕はサロマ湖を目指した。

そういえば、能取岬に行ければいいなあとか思っていた時期もあったな。

はははははっはははははははははははははっはははははアハッハはは!!!!

 

網走からサロマ湖にかけては、結構アップダウンがあった。

でも、アップした時に現れる景色は息を飲むものがあった。

オホーツク海とサロマ湖

この世の終わりみたいな景色だ。

だけど、僕はなぜかこの景色が好き。

湾曲したオホーツク海とサロマ湖の外縁が綺麗な形をしていた。

 

この頃、ガーミンの充電も切れ、テンションがさらに下がった。

 

聞こえるのは僕の呼吸と雨とチェーンの音だけ。

車も通っておらず、本当に静かな時間帯だった。

 

それにしても、僕のカメラは乱暴な使われ方をしている。

Fujifilm X-T2と言うんだけれど、北海道に来る1週間前くらいに手に入れたもの。

確か、防水防塵だったけど、それでもやばいんじゃないかってくらい雨が打ち付けるので心配だったけど、

平気だった!と言うオチもクソもない話をここに書き綴ろう。

 

 豪雨すぎる239号線

その後も雨は止むことなく、雨脚を強めていった。

 

サロマ湖の写真はないけれど、霧で何も見えなかった。

とてもつもなく大きい海のように見えた。

 

アップダウンが多いし変速の調子も最悪だし、まさにどん底だった。

ギアは、アウターの1速が入らない状態で、2回押して1回戻したらやっと入る。

今思えば笑っちゃう話。

 

今日の宿は計呂地交通公園 駅長の家

今日の宿は

「計呂地交通公園 駅長の家」

と言う、SL機関車の中で寝泊まりできる場所。
今日こそ一人部屋で眠りたかったけれど、どこの宿もいっぱい、と言うかこれから行く場所に宿なんてかなかった。
走りながら「今晩泊めてください!」とチャイムを鳴らせば泊めてくれる家はあるかなあ
などとそんなことばかり考えて漕いでいた。
ずっと楽しみにしていた北海道なのに、ずっと天気が悪くって最悪だった。
悪い時は、悪いことばかりを考えてしまうのが僕の悪い癖で、悪循環が止まらなかった。
計呂地交通公園 駅長の家に着くと、いくつかの自転車とバイクがすでに止まっていた。
(雨だから絶対多いじゃん!最悪!!)
と思いながら受付をする。
受付のおじいちゃんはめちゃくちゃ親切な人で、何故か泣きそうになった。
知らない土地で豪雨にあたり、知らない人と寝る、
平気かと思ったけど、結構こたえる。
そんな時おじいちゃんが、めちゃくちゃ親切に対応してくれたもんだから、
「これだから旅はやめられないぜ!」ってすぐ開き直った。
中はこんな感じ。
この1畳のスペースは僕だけのもの。
誰にも侵させないぞ。
SL機関車の前には、魚屋があり、焼いて提供してくれた。
お店のおばあちゃんと長話になったけれど、娘が止めてくれたのでSL機関車に帰れた。
ホッケの開き
インスタントライス
フリースペースで食べる、ホッケ(だと思う)。
魚は僕は苦手だけれど、この時ばかりはなんでもいいや!うまいっしょ!
とポジティブに魚を食べた。
受付のおじいちゃんがレンジでチンしてくれた米と、魚のディナー。
涙が出そうなくらい美味しかったな。
ちなみにここまで調理ギアの出番なし。
そのあとSLに戻って寝る支度をした。
周りの旅人とももちろん会話をする。
これからも雨らしいから、みんな宿の確保が急務のようだった。
僕は明日、枝幸と言う街まで行く。
僕も宿の確保をしようと思ったが、どうやらその街には宿が2つしかなく、また両方とも予約が取れなかった。
絶望だった。
キャンプ場があるからそこで寝ればいいのだけれど、絶対雨降るしオフトゥンで寝たいんだよ!!!
だけど結局宿は見つからず、次の日を迎えることになる。
「次回!絶望の先に見えるもの」
デュエルスタンバイ!!
あ、モンベルのレインサイクルパンツが雨の中でもストレッチが効いてとても便利でした。